三線と三味線の違い
沖縄の三線。津軽の三味線。見てくれはどちらも殆ど同じで、音も凄く近い。まるで双子の様な三線と三味線の違いを説明しようと思います。
実は三線と三味線は全くといっていいほど別物です。
ただし、どちらもギターのようなフレットが無いため、異なっている点よりも、共有している点のほうが多いでしょう。
沖縄では、三線のことを三味線といったりはしますが、やはり本土の三味線とは「別の」楽器です。
ルーツは同じでも、やはり、「同じ楽器」とは言いがたいです。
1 由来の違い
①まず、ルーツは中国の三弦という楽器です。
②琉球(現、沖縄)に伝わり、三線が製作されました。
③大阪の堺に伝わり、現代の三味線になるまでに劇的に改造されました。?まず、皮として、三弦はビルマニシキヘビの皮を使っているのに対して、三味線は当時入手が簡単だった猫の皮、もしくは犬の皮を使用していました。?撥としては、爪(チミ)ではなく、琵琶の撥を流用します。?音を大きくするために、胴を大きくしましたが、それにバランスを考え、棹も長く、太くしていきました。?また、さわり山をつけることにより、さわりという、独特の音(雑音風の音)を出す事が出来ます。?こうして出来たのが三味線です。??演奏に関して。?三線の曲を三味線で引く事は不可能ではないが、難易度はかなり高くなります。?なので、ここからは、三味線の曲を三線で弾くことを考えます。
1棹の物理的な条件。?①三味線には、「さわりやま」という特殊な部分があり、三線にはそれがありません。?イメージ的には、弦に触れるか触れないかの所に箸、もしくは鉛筆をあてて、弦を鳴らすとわかるように、「ビーン」という、雑音とも取れる、独特の音が発生しますが、三味線には、最初からそういった音が出るように、「さわりやま」という部分があります。?三線にはこの機構が無いため、致命的でしょう。?しかし、無視して演奏する事も出来るかと思います。?もしかしたら、第一弦の下に木片を触れるか触れないか位の位置に貼り付ければ可能かもしれません。?しかし調整が難しいのと、棹自体を改造するのはあまりおすすめできません。?②三線の型が一般的な型、つまり真壁型であれば、通常津軽三味線では出せる一番高い音を物理的に出す事は出来ません。?ただし、この音を出す必要のない曲は可能でしょう。?③棹は、三味線の方が長いが、相対的に勘所を狭めて演奏すれば可能です。?しかし、あまりボリュームのあるような音は期待できません。??2 弦の物理的な条件について ?個人的には、奄美大島で使われている「大島弦」を使う事をお勧めします。?通常の弦では、一番細い糸でも太すぎて三味線の曲を弾くにはとても弾きにくいと思います。?大島弦は3の糸(ミージル、一番細い弦)が釣り糸のように、滑らかになっていて、通常の三味線の糸と同じ感覚で引く事が出来ます。?また、通常の弦(1.5号弦)では三味線のような高い音に調弦すると、切れやすいが、大島弦はそういった心配がありません。?ただし、1の糸は、三味線の方が三線の弦よりも太いので、1の糸は三味線の糸を買うことをおすすめします。??3 皮、胴の物理的な条件について?①三味線の方が胴が大きいため、比例して大きな音が出ます。?三線はこれより小さいため、音の大きさを解消する事は物理的に出来ません。?しかし、皮を強く張ったりすれば、若干解消できる点もあります。??4 駒(馬)について?試してみると分かるとおもいますが、三味線の駒を三線に取り付けると、若干三味線の音に近くなります。??5 奏法について?①三線は、胴が小さすぎるゆえ、三味線の撥を使うと、立って引かない限り、足に当たり使いにくいため、ピックか、爪(チミ)を使います。?②前撥、後撥は弾く強さを変える事により解決するので、問題ありません。?③スクイ撥は、三線の技法、「掛け音」を流用すれば、そう難しくはないでしょう。?しかし、津軽三味線をする場合は、独特の引き方(引いたときに、叩いたような音が出る奏法)はきわめて困難です。??④ピックを使うと、多少叩く音が出て、改善される可能性はあります。?しかし、三線には撥皮が無いため、あまりおすすめは出来ません。??